結び目の王と呼ばれている「もやい結び」!
キャンプで使うロープワークの中では一番出番が多く、簡単に覚えることができる定番の結び方です。
基本のロープワーク
頑丈で素早く結ぶことができ、簡単にほどくことができる「もやい結び」はテントやタープの設営はもちろん、カナビラを繋いだり、ライトを吊るす時など色々な場面で大活躍します。
たまにしかキャンプをしないと忘れてしまいがちなロープワークですが、もやい結びはキャンプ以外にも役立つので忘れずに覚えておきましょう!
「モアイ」じゃなくて「もやい」
もやい結びを蛙に例えた簡単な覚え方、もやい結びのほどき方、更にほどきやすい引き解けもやい結びの覚え方、もやい結びの応用編などを紹介します。
もやい結びはいくつか種類がありますが、とりあえず「基本のもやい結び」と「引き解けもやい結び」この2つだけは確実に覚えておきましょう!
もやい結びとは
もやい結びは、頑丈で素早く結べるのに、ほどきやすい、ロープワークの基本とも言える結び方です。
元々は船舶で使われていた結び方で漢字では「舫い」と書きます。英語では「Bowline/Bowline knot」と呼ばれ、「Bow(船首)」に船の帆のフチを引っ張るために用いられた結びです。
船舶免許を取得する時にも習う
石器時代から使われていたらしい人類の知恵と進化
使い勝手の良さや、使用用途の多さから「結び目の王(King of Knot)」とも呼ばれています。
もやい結びで作った輪っかは、どんなに荷重がかかっても輪っかの大きさは変わらずループを締め付けません。
大きな力にも耐えることができる頑丈な結びでありながら、簡単にほどくことができます。
5秒で結えて、5秒でほどける
テントやタープにパラコードを繋げる時、ロープを張りたい時、重いものを吊るす時、船を係留する時など色々な用途で使うことができます。
マリン関係、林業など、お仕事でも頻繁に使われるもやい結びは、利便性だけでなく、安全性の向上のために使われることもあります。
基本のもやい結びの覚え方【蛙編】
船舶免許を取得した時に習った、蛙に例えた覚え方が一番覚えやすくわかりやすかったので、「もやい結び」の手順を蛙の動きに例えて紹介します。
- STEP1池を作る
- STEP2蛙が池から飛び出す
- STEP3柳の下をくぐる
- STEP4蛙が池に帰る
- STEP5完成
池(輪っか)を作る
ロープをカナビラやタープのループなどに通します。(ロープの先端が蛙)
池(輪っか)を作ります。長い方のロープが下側になるようにクルッと輪っかを作っていきます。
蛙が池(輪っか)から飛び出す
短い方のロープの先端を輪っかの下からくぐらせて外に出す。(蛙が池からジャンプ)
柳の下をくぐる
輪っかからロープを長めに出す(池から出てきた蛙は何やら岸にある柳の木が気になっています)
ロープの先端を長いロープの下からくぐらせて出す。(蛙が柳の下をくぐります)
蛙が池に帰る
ロープの先端を輪っかに入れる(柳の下をくぐって遊んだ蛙は池に帰っていきました)
蛙が帰る!
もやい結び完成
最後はロープの先端を掴んだまま、長い方のロープをひっぱっていけば完成です。
蛙に例えた基本のもやい結びの覚え方完成!
何回か練習して体に覚えさせてあげよう!
基本のもやい結びを動画で確認
もやい結びは慣れれば5秒以内で完成します。
特に難しいポイントもないため、何回も繰り返して練習あるのみです。
もやい結び:応用編(引き解けもやい結び)
基本のもやい結びは、結び目を横にして大きなコブをパキッと折ることでスルスルとほどくことができます。
しかし、太めのロープや滑りが悪いロープ、濡れたロープ、強いテンションがかかりすぎたロープなどを使うと、たまにほどけにくくなることがあります。
そんな時は更にほどきやすい「もやい結び・改(引き解けもやい結び)」で結ぶことで撤収が更に簡単になります。
引き解けもやい結びの覚え方
- STEP1輪っかを作る
クルッとロープを返して輪っかを作ります。
- STEP2輪っかにロープを通す
輪っかにロープを通します。ここまでは基本のもやい結びと同じ!
- STEP3輪っかに指を通す
輪っかの中に指を3、4本通しておきます。
- STEP4ロープを掴む
クルッと返した短いロープをU字にして掴みます。
- STEP5U字にしてひっぱる
U字にしたロープを掴んだまま、手を輪っかから抜きます。
- STEP6完成
最後にキュッとテンションをかけてあげれば引き解けもやい結びの完成
引き解けもやい結びを動画で確認
慣れてしまえば結ぶのもほどくのも簡単にできてしまいます。
引き解けもやい結びはうちが一番よく使ってるロープワーク
引き解けもやい結びのほどき方
U字の部分のロープの先端をキュッと引っ張るだけで簡単にほどくことができます。
超簡単にほどける!
もやい結び:応用編(頑丈なもやい結び)
ごく普通にキャンプをするだけであれば、「基本のもやい結び」か、「引き解けもやい結び」しか使うことはありません。
他にも二重もやい結びや、逆もやい結び、強化もやい結びなど(7、8種)ありますが、色々ごっちゃになると訳がわからなくなります。
ロープワークの基本は①簡単で覚えやすい②ほどきやすい
覚えれなかったら意味なし!
まずは基本のもやい結びを覚えて、余裕ができたら自慢できる次のステップへと進みましょう!
もやい結びの注意点
普通のキャンプであれば基本のもやい結びでもOKなのですが、命綱として基本のもやい結びを使うと岩などに結び目がぶつかってほどけてしまうことがあります。
基本のもやい結びは命綱として使うとリスクが高い
昔事故が起きたみたい
一昔前は登山やクライミングの命綱として使用されていましたが、ほどけてしまうリスクから現在は推奨されていません。
強化もやい結びの結び方
- STEP1基本のもやい結び
まずは基本のもやい結びを作ります。
- STEP2先端をまわす
ロープの先端をクルッともやい結びの輪っかの外側から回します。
- STEP3結び目を少し緩める
もやいの結び目を少し緩める輪っかをあけます。ロープの先端をその輪っかへと下から通します。
- STEP4キュッと縛る
下からロープを通したらキュッと縛ってしまいます。
- STEP5完成
これで強化もやい結びの完成です。基本のもやい結びに比べてもかなり頑丈な結びとなているのでそう簡単には外すことはできません。
おまけ:基本のもやい結びの覚え方【蛇編】
- STEP1穴(輪っか)を作る
長い方のロープをくるっと丸めて輪っか(穴)を作ります。
- STEP2蛇が穴から出てくる
輪っかからロープを取り出します。(穴から蛇が出てくる)
- STEP3木の下を蛇がぐるっと回る
ロープの先端を長いロープの下から出します。(木の下を蛇がぐるっと回る)
- STEP4蛇が穴に帰る
ロープの先端を輪っかの中に入れます。(蛇が穴に帰る)
ギュッと両端のテンションをかければ完成(蛇が穴の奥底へ帰っていく)
- STEP5完成
基本のもやい結び(蛇で例えた覚え方)完成
まとめ:基本のもやい結びと引き解けもやい結びを覚えておこう!
キャンプで使うもやい結びは「基本のもやい結び」と、「引き解けもやい結び」のふたつをとりあえず覚えておきましょう!
このふたつのもやい結びさえできれば、テントを張る時、タープを張る時などに必ず役立ちます!
- Qもやい結びと引き解けもやい結びどっちを使うことが多い?
- A
うちはほどき方が簡単な、引き解けもやい結びを使うことが多いです。
基本のもやい結びができれば、最後の輪っかに入れる先端をU時に変えれば、引き解けもやい結びの完成です。
寝坊してしまって慌てないためにも、撤収作業はなるべく早く済ませたいため、ほどきやすい「引き解けもやい結び」を使うことが圧倒的に多いです。
風が強くて外れてしまったことはないから安心して
もやい結びの覚え方:まとめ
蛙も蛇も同じ爬虫類なのでややこいですが、どちらでも覚えやすい方の覚え方でもやい結びをマスターしちゃって下さい。
ロープワークの基本は「簡単に結びやすく、簡単にほどきやすい!」まさにロープワークの基本とも言えるもやい結びをかっこよくチャチャッと結んで家族に友達に自慢してください!
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