メスティンを使った炊飯は、固形燃料やアルコールストーブを使ったほったらかし炊飯や、焚き火やガスバーナーを使っての炊飯、お家のガスコンロで炊飯など、色々な炊飯方法があります。
慣れてくればどんな火器を使っても失敗なく、メスティンで炊飯することができますが、アウトドアの環境だと、風が強かったり、上手く水の量を計れなかったりなど、色々な原因が重なって、炊飯がうまくいかない場合もあります。
失敗しないで美味しいご飯が食べたい!!
「失敗は成功のもと」とも言うくらいなので、どんどん失敗して経験するのもキャンプの楽しみではありますが、やっぱり失敗せずに美味しいご飯を炊きたい!!
そんな訳で、「メスティンを使って炊飯を失敗してしまった・・・(泣)」ってことが無いように、よくある失敗例と、失敗しないための対策を紹介します。
メスティンを使っての炊飯が失敗する原因
釜とかまどを使った炊飯では、昔から「始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな」と言う、誰しもが一度は聞いたことがあるであろう格言があります。
広辞苑では、意味や解説として「弱火から強火にし、途中では決して蓋を取らないという、飯の上手な炊き方を教えた言葉」と書かれています。
この炊き方は、あくまでも釜やかまどを使って米を炊くときの火加減・手順のことを指すため、メスティンに限らず、飯盒炊飯や、お家で土鍋を使った炊飯などで実行すると失敗します。
間違いなく焦げつくし、失敗する!
メスティンにはメスティンのやり方、飯盒には飯盒炊飯のやり方があるため、使うクッカーによって炊飯方法は変えないと、失敗の原因となってしまいます。
メスティンの蓋を途中で開けるのも、別に間違いではない!
とりあえずメスティンの炊飯は「火力」・「燃焼効率(風)」・「水の量」・「吸水時間」・「炊飯時間」を間違えなければ、失敗なく炊飯することができます。
メスティンと固形燃料でほったらかし炊飯をしたのに失敗した
メスティンを使った炊飯方法で、一番メジャーなやり方が「固形燃料」を使った炊飯方法です。
通称「ほったらかし炊飯」や「自動炊飯」などとも呼ばれ、固形燃料に火をつけるだけで、あとは火が消えるまでほったらかしておくだけで、炊飯が出来上がる簡単な方法です。
固形燃料だけでなくアルコールストーブを使っても、同じように20分ほど火が消えるまでほったらかしておけば炊飯が終わります。
どちらのやり方にしても、ほったらかしておくだけなので、まず失敗が少ない炊飯方法ではありますが、失敗するとご飯が固く芯が残る感じになったり、逆にベチャベチャになったりします。
ほったらかし炊飯が失敗する原因
メスティンと固形燃料やアルコールストーブを使った炊飯が失敗する主な原因は「風」です!
誰しも初めてメスティンを買った時は、ウキウキしてお家でほったらかし炊飯などを試してみたと思いますが、お家では風の影響を受けないため、失敗することなくご飯は炊けます。
お家の中でさえ失敗するなら水の分量が間違ってる!
しかし、固形燃料は火力が強い訳ではないため、風が強い時に使うと火が逃げてしまい、燃焼効率が悪くなります。
結果的に炊ききれず、芯が残る、固い美味しくないご飯となってしまいます。
対策:風防は必須
お家で固形燃料を使って炊飯したら成功したけど、キャンプだと失敗するのは風が原因のため、しっかりと風防などを使い風対策が必須となります。
風がどこから吹いてるのかよく分からない場合は、メスティンをぐるっと囲める大きな風防が必要となりますし、明らかに吹いてる場所がわかるのであれば、風上にテントを置いて防いだり、風防を使って防ぐ必要があります。
固形燃料やアルコールストーブは風の影響をもろに受けやすく、燃費にも影響するため、風対策はしっかりと行うようにしましょう!
アウトドアで使う時は風の影響がないところで炊飯!
メスティンとガスバーナーで炊飯したら焦げる
固形燃料やアルコールストーブと違い、ガスバーナーは火力が強いです。
そのため、固形燃料を使った炊飯と同じように、ガスバーナーで20分ほど炊飯してしまうと確実に焦げてしまいます。
キャンプ用のガスバーナーは、風に負けないために一点集中型の炎を出すバーナーが多いため、1箇所に火が当たり続ける結果、焦げてしまうことがあります。
火力調整もガスコンロほど器用にはできず、とろ火も苦手なため、火力が強くなりすぎてメスティンが焦げ付いてしまいます。
お家で使うガスコンロも同じく火力が強いため、火加減や炊飯時間が長いとメスティンが焦げ付いてしまい、お掃除が大変になります。
そのため、ガスバーナーやガスコンロで炊飯をする時は、火加減と炊飯時間が大切となります。
対策その1:バーナーパッドを使う
製品名 | バーナーパットS | バーナーパットM |
---|---|---|
サイズ | 12×12cm | 15×15cm |
重量 | 50g | 65g |
とろ火が苦手なガスバーナーを使ってメスティンを炊飯する時は、バーナーパッドを敷いて炊飯することで、炎が全体的に広がりとろ火調理が可能となります。
うちが使っているユニフレームのバーナーパットMサイズは15cm×15cmの四角形サイズのため、斜めにメスティンを置けば、ちょうど全体的に炎を当てて炊飯することができます。
製品名 | ミニロースター |
---|---|
サイズ | 約Φ15×1.5cm |
重量 | 約135g |
ユニフレームのバーナーパット以外にも、同じくユニフレームの「ミニロースター」のバーナーパッド部分を使って炊飯することもできます。
炊飯だけでなく、バーナー調理をする時に全体的に火を当てたいな、クッカーの滑り止めとして使いたいなという時に、バーーパッドはとっても役立つ便利アイテムです。
対策その2:炊飯時間は短めに!
メスティン+バーナーパッド+ガスバーナー=15分
ガスバーナーの上にバーナーパッドを敷いて、メスティンで一合炊飯する場合は、火力は弱火の状態でスタートし、炊飯時間は15分で終わらせます。
風が強い場合はなどは固形燃料と同じく風防を取り付け、火力は少し上げて炊飯してください。
OD缶バーナーで炊飯する場合は、輻射熱によってガス缶が温まり心配なので、まずはメスティンをそのまま弱火と中火の間くらいで炊飯し、吹き溢れてきたらバーナーパッドを敷きます。
メスティンの吹きこぼれが始まったら、弱火にしてバーナーパッドを敷いて5分間炊き続けて蒸らしに入れば焦げ付きなく炊けます。
メスティン+ガスコンロ=10分
ガスコンロを使って一合炊飯する場合は、風もなく火力調整も細かくできるので、中火より少し弱めにして10分間火にかけるだけで、焦げ付きもなくしっかりとご飯を炊くことができます。
焚き火で炊飯する時も火力が強いから10分で十分に炊ける!
メスティンで炊飯したお米が固い
メスティンで炊飯したお米が固い原因は、お水の量が少ないことです。
普通精米と同じような水の分量で無洗米を炊くと、お水の量が足りなくなり、固いお米となってしまいます。
炊飯器で炊く場合と、メスティンで炊く場合は水の量が異なります。
アルストや固形燃料で炊く場合は、固めが好きな場合は炊飯器と同じように、普通の硬さがお好みの場合は水を増やすという感じで調整します。
ガスコンロやバーナー、焚き火の場合は火力が強いため、お水の量は増やして炊くと失敗せず焦げ付きもなく、上手に炊けます。
対策:無洗米は水を多めに
普通精米と無洗米を見比べたら分かるのですが、米粒が無洗米の方が小さいため、同じ一合でも米粒の量が多くなり、水を多く入れないといけません。
そして、裏面に記載されているお水の分量はあくまでも炊飯器で炊く時の分量となります。
メスティン+無洗米1合+お水230ccで炊くと、少し固めのお米となります。
普通くらいの固さでお米を炊くのであれば、更に多く250ccくらいお水の量があった方がちょうど良く炊飯できます。
メスティンで炊飯したお米がべちゃべちゃ
メスティンで炊飯したお米がべちゃべちゃになる原因として考えられるのは、逆に炊飯する時に入れるお水の量が多いのが原因です。
人差し指の長さは人それぞれ
よく人差し指の第一関節までお水を入れると、ちょうど良い水加減で炊けると書かれているサイトがありますが、指の長さは人によって違うため、手の大きい人、小さい人で水の量は変わってきます。
指で測るときはあくまでも参考程度で、一度試してから炊いた方が良いです。
人差し指でちゃんと炊ける人はラッキーな指の長さ
べちゃべちゃな場合はもう少し火にかける
べちゃべちゃな場合はまだ水分が残っているため、中身を空けて確認しながらもう少し火にかければ;酷すぎない限りどうにか対応できます。
「赤子泣くとも蓋取るな」ではなく、蓋を取って確認しながら炊いた方が、お好みの固さで上手に炊けることもあります。
蓋を開けたからと言って失敗する訳でない!
メスティンで炊飯したけどまずい・美味しくない
メスティンで炊飯したご飯がまずい、美味しくない原因は、水の量が少なすぎる時や、無洗米を吸水させずに炊飯してしまった場合に多いです。
失敗して美味しくなかったお米の場合は、焼きおにぎりにしたり、チャーハンにしたりで、食べれるレベルにアレンジすることもできます。
無洗米はしっかりと吸水
無洗米の場合は、メスティンに水を先にいれてからお米を入れることで、水に触れないお米が少なくなるため、炊きムラが少なくなります。
お米を先に入れる場合は、水を加えた後、お米と水を優しく混ぜ合わせることで炊きムラを抑えることができます。
お水を入れ無洗米を入れたら、30分以上お水を吸水(浸漬)させます。
吸水させたお米と、お水とお米を入れたばかりのメスティンを比較すると、両者の違いがはっきりとわかります。
吸水させたお米は、全部下に沈んでいますが、入れたばかりの無洗米は結構浮いてます。
吸水してる、してないで全然違う!
全部のお米が吸水する(沈み込む)まで、約30分くらい掛かります。
浸漬をするとしないとでは、炊き上がりのふっくら感が大きく変わるため、必ず吸水させることが美味しいご飯を炊くコツです!
蒸らし中にひっくり返す必要は無い!
メスティンを蒸らし中にタオルに巻いてひっくり返すと書いてあるサイトが多いですが、裏返しにする理由はありません!!
ボーイスカウトで習う飯盒炊飯は、飯盒が「炊けたらひっくり返して蒸らす」と教えていたらしく、その名残りでメスティンも逆さまにしなきゃと実践する人が多いのではないかと予想します。
諸説ありますが、昔ながらのよく見かける無骨な飯盒を逆さまにする理由はいくつかあります。
- 蒸らしている時間に、飯盒の底に付いた煤汚れを落とすため
- 飯盒の底のご飯や焦げつきを取りやすくするため
- 昔の飯盒は蓋に隙間があったので、ひっくり返さないと保温効果が落ちるため
- 下部分のお米は硬く、上部分はふっくらしているため etc…
こんな感じの理由で、昔は飯盒を蒸らす時は逆さまにしていたみたいです。
実際、逆さまに蒸らしたメスティンと、ひっくり返さずにそのまま蒸らしたメスティンを比較しましたが、味も何も変わらないため、ひっくり返す理由がありません。
メスティンはとっても薄いアルミで作られているため、保温力がなく蒸らし中に冷めてしまいます。
クーラーバッグなどに入れるか、タオルに巻いて、ひっくり返さずそのまま蒸らしておけば美味しいお米が炊けます。
まとめ:失敗は成功のもと
今回はメスティンの炊飯が失敗してしまう原因と、その対策を紹介しました。
メスティンの炊飯を失敗しないために、大切なことは「火力」・「燃焼効率(風)」・「水の量」・「吸水時間」・「炊飯時間」です。
何回も炊飯していけば、失敗することもなく美味しいお米を炊くことができますが、はじめのうちはもちろん失敗も起こります。
お家で炊くのと、キャンプで炊飯するのは環境も違うため、お家で成功したからといって、キャンプで成功するとも限りません。
「失敗は成功のもと」と言葉通り、色々と試してみて美味しいご飯を食べてください!
自分なりに試してみた成功法だから、あくまでも参考程度に!
蓋を開けて見てみたら大体、あとどれくらいか分かってくる!
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