トランギアのメスティンは、使う前に最初に行う工程としてバリ取りとシーズニングがあります。
ファンの間ではこの工程を「儀式」とも呼んでいるのですが(笑)、そもそもなぜトランギアのメスティンはバリ取りやシーズニングが必要なのか疑問もあります。
メスティンの縁を触ると、ギザギザしていて怪我をしてしまう恐れもあるため、ヤスリを使ってゴシゴシとバリ取りをしないといけないのはわかります。
しかしシーズニングが必要な理由は、実際にやってみてもいまいち理由がわかりづらいです。
シーズニングにはどんな効果がある?
トランギア製メスティンにシーズニングが必要な理由をはじめ、シーズニングのやり方、2個のメスティンを使い、シーズニング済みのメスティン、シーズニングをしないメスティンとどれくらい違いがあるのか比較検証してみます。
トランギア製メスティンにシーズニングが必要な理由
製品名 | トランギア メスティン |
サイズ | W17×D9.5×H6.2cm |
容量 | 750ml |
重量 | 150g |
材質 | アルミ(無垢) |
炊飯の目安 | 1.8合まで |
トランギアのメスティンは言わずと知れた、キャンパーに大人気の四角いクッカーです。
今やトランギア製に限らず、100均やニトリまでもが「メスティン」を販売しており、キャンプをしない人にまで知名度が知れ渡っている大人気の飯盒です。
トランギア製のメスティンは、他社のメスティンと比べると、決して品質が優れている、機能が優れていると言うわけではありません。
価格を抑えるために「無垢のアルミ」を使用しているので、アルミ特有の匂いが残ったり、変色や黒ずみなどが付着しやすいデメリットなどがあります。
アルマイト加工やテフロン加工されているメスティンの方がよっぽど使いやすい!
メスティンは育てがいがあるクッカー!?
加工も荒く、縁がかなりギザギザしているため、使用する前にバリ取りやシーズニングが必要となってきます。
シーズニングとは
「シーズニング(seasoning)」は、料理で使う調味料の意味がありますが、スキレットや鉄板などを手入れする(慣らす)こともシーズニングと言います。
シーズニングをすることで皮膜が作られ、サビや張り付き・焦付きなどの防止になります。
メスティンはなぜシーズニングが必要?
トランギアのメスティンは、比較的サビづらいと言われているアルミ製なのに、シーズニングが必要な理由は「無垢のアルミ」だからです。
無垢のアルミは表面に薄い酸化皮膜が形成されてはいますが、使用用途によっては腐食が進んだり、変色したり、黒ずみが付いたりします。
そのため、キャンプで使うアルミ製クッカーは大体「アルマイト加工」と呼ばれる、無垢の状態よりも更に厚く丈夫な酸化皮膜がコーティングされています。
そのため、アルマイト加工されたクッカーは、無垢のクッカーに比べ、耐腐食性や耐摩耗性に優れたクッカーとなっています。
- Qアルマイト加工されたメスティンもシーズニングは必要?
- A
アルマイト加工のクッカーは、しっかりと皮膜が付いているからシーズニングは全くもって不要です。
トランギア製メスティンはアルマイト加工がされていないため、シーズニングをして皮膜を作ってあげることで、アルミ臭さが減り、焦げ付きにくく、変色しにくいクッカーへと生まれ変わります。
トランギアメスティンだけでなく、ビリーコッヘルやケトルなど、他のトランギア製クッカーも「無垢のアルミ」で作られているため、シーズニングが必要となります。
アルマイト加工されたメスティンのシーズニングは不要!
アルマイト加工されたアルミ製のメスティンやクッカーは、シーズニングは不要です!!
既にプロが丈夫な酸化皮膜をコーティングしてくれているため、わざわざ個人レベルでする必要がありません!
トランギアメスティンのせいで、アルミ製クッカーは全てシーズニングをしないといけないみたいな雰囲気となっていますが、アルマイト加工されたアルミ製クッカーや、テフロン加工されたアルミ製クッカーにシーズニングはいらないです!!
シーズニングがめんどくさいならアルマイト加工されたメスティンを選ぼう!
今は色々なメーカーからメスティンが販売されている!
トランギア製のアルミクッカーは「無垢のアルミ」だから、シーズニングが必要なのです。
無垢のアルミを使っているメーカーがそもそも少ない!
大体どこのメーカーもアルマイト加工されてる!
トランギア メスティン シーズニングのやり方
トランギアメスティンのシーズニングは、お米のとぎ汁を使って簡単にできます。
シーズニングをするために必要な道具や、しシーズニングのやり方などを紹介します。
シーズニングに必要なアイテム
メスティンのシーズニングは、トランギアの正規代理店イワタニプリズムでも推奨されている、お米のとぎ汁を使ってのシーズニングが一般的です。
- Qメスティンのシーズニングはとぎ汁以外でもできる?
- A
とぎ汁以外に、紅茶やコーラ、クズ野菜などでシーズニングはできます。
紅茶やコーラで煮込んだり、野菜クズで煮込んだりもできますが、一般的なお米のとぎ汁を使ったシーズニング方法を紹介します。
とぎ汁を使えば無料でシーズニングができる!
牛乳や重曹は失敗するからダメ!
お米のとぎ汁以外に必要なアイテムは、メスティンが入る大きさのお鍋です。
小さな鍋だとメスティンが顔を出してしまうため、全て覆い被さるサイズの鍋が必要です。
シーズニングのやり方
- STEP1メスティンを洗う
- STEP2鍋にとぎ汁を入れる
- STEP3メスティンを約20分煮込む
- STEP4ヌメリを洗い落とす
- STEP5完成
STEP1:メスティンを洗う
まずはスポンジに洗剤をつけて、メスティンをしっかりと丁寧に洗い、余計な汚れや膜は全て落としておきます。
メスティンのハンドルは横にズラせば簡単に取ることができるため、外しておきます。
STEP2:鍋にとぎ汁を入れる
お鍋の中にメスティンを入れて、お米のとぎ汁をたっぷり浸かるまで入れます。
- Qメスティンが浸かる鍋が無い場合は?
- A
メスティンの中にとぎ汁を入れて、中身だけシーズニングする方法もあります。
実際、シーズニングが特に必要な場所は、メスティンの内側だけのため、大きなお鍋を用意できない場合は、メスティンの中にとぎ汁を入れて炊いてしまうやり方もあります。
STEP3:メスティンを約20分煮込む
お鍋の中にとぎ汁とメスティンを入れたら、火にかけて約20分くらい煮込みます。
STEP4:ヌメリを洗い落とす
火にかけてから20分たったら火からおろし、メスティンが冷めたら軽く水で濯ぎます。
シーズニング後は結構ヌルヌルしているため、手で軽く擦ればヌメリは落とせます。
メスティンのシーズニング完成
洗い終わり、乾燥も終わったらシーズニングは完成です。
うすーい膜がメスティンにひっついているのを感じとることができます。
シーズニングは必要?しないメスティンと比較
メスティンのシーズニングは、そこまでめんどくさい作業ではありませんが、この慣らし作業が嫌で、メスティンを使うのも踏みとどまっているキャンパーさんも多いと思います。
シーズニングをしないでメスティンを使うとどうなのか、言われているようにアルミ臭さが残るのか、変色や黒ずみが出てくるのか、炊飯したメスティンを比較しながら紹介します。
アルミ臭さ
シーズニングをしないメスティンはアルミ味が移ると言われています。
炊飯したお米を食べ比べてみましたが、シーズニングしたメスティン、シーズニングしないで炊いたメスティンともに、違いはイマイチわかりませんでした。
アルミ臭さは特に無かった
焦げ付き
焦げ付きに関しても、炊飯レベルであれば違いはあまりなく、シーズニングしたメスティンも、しないメスティン共に焦げ付きもなく、上手に炊けました。
火にかける時間を守れば、焦げることなく炊ける!
固形燃料とメスティンを使った自動炊飯は焦付きもなく炊飯することができます。
アルコールストーブを使った炊飯方法でも、焦げ付きなく炊飯できます。
バーナーを使って炊飯する場合は、「バーナーパッド」を敷いて炊飯すると焦げ付きもなく炊くことができます。
焼き物などをすれば違いは出てくるかもしれませんが、とぎ汁レベルの皮膜であれば、どっちにしろアルミ製のため、焦げついてしまいます。
アルミ製クッカーは焼く・炒めるは苦手!
変色・黒ずみ
一番違いを感じたのは、変色や黒ずみです。
アルミは基本的にサビや色うつりには強いのですが、アルカリ性には弱いので黒ずみや変色の原因となります。
例えメスティンにお水しか入れてなくても、水のミネラルはアルカリ性のため、変色を起こします。
変色するくらい放置するならシーズニングは必要!
変色や黒ずみを元に戻したらシーズニングは再度必要!
まとめ:シーズニングは一回やれば十分
今回はトランギア製のメスティンにシーズニングが必要な理由、シーズニングのやり方、シーズニングをしないメスティンとの比較をまとめました。
結果的にはシーズニングをしたメスティンと、しないメスティンを比較した場合、しないよりかはした方が少しだけマシになるという感じです。
- Qメスティンのシーズニングは毎回必要?
- A
使う前に一回シーズニングしておけば、変色しない限り必要ないです。
シーズニングをしないメスティンでも、何回かお米を炊いているうちにシーズニングしたメスティンと変わらない見た目となってきていますし、シーズニングしたメスティン・しないメスティンともに同じように使うことができます。
炊飯で使っていたら、勝手にシーズニングされていく!
そのため、絶対にシーズニングが必要かと言えば、一概にYESとは言えないない結果となりました。
普通に使っていれば、初めに一回シーズニングしておけば十分!
ただ、変色や黒ずみが起きた場合は、健康に害はなくても見た目は悪いため、クエン酸やレモン汁などで煮沸し、元に戻してからシーズニングすることをおすすめします。
メスティンよりも、ケトルの方が黒ずみが起きやすい!
メスティンを使う頻度が少なく、変色しやすいメスティンであればシーズニングして予防しといたほうが綺麗に使うことができます。
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