「折る刃」式カッターナイフのパイオニアとして、MADE IN JAPANにも拘る「オルファ株式会社」!
カッターを折るだけでなく、切れ味も素晴らしいため、カッターナイフと言えば「オルファ」と言われるほど、圧倒的な支持を受けている老舗のカッターメーカーです。
オルファは工作用などのカッターナイフをメインに製造しているメーカーですが、昨今のキャンプブーブによって、アウトドア専門のブランド「OLFA WORKS(オルファワークス)」を立ち上げています。
オルファの銘品「クラフトナイフ」をアウトドア仕様に仕立てた「ブッシュクラフトナイフBK1」や、ノコギリ、フルタングナイフなど、カッター製作で培った技術がアウトドアにも活かされています。
今回はオルファワークスのアウトドアナイフ「SANGA(サンガ)」をレビューします。
フルタングだからバトニングも出来る!
万を超えるようなナイフを求めているキャンパーさんにとっては少し物足りないスペックではありますが、ブッシュクラフトをするわけでもなく、取り敢えず「フルタングナイフとはなんぞや!?」と試してみたい初心者キャンパーさんにおすすめのナイフです。
オルファ製だから切れ味もバッチリ!
「オルファワークス アウトドアナイフ サンガ」の基本情報をはじめ、実際に使ってみて感じたこと、気になったことなどをまとめてレビューします。
オルファワークス アウトドアナイフ サンガ
「OLFA WORKS(オルファワークス) アウトドアナイフ SANGA(サンガ)」は、オルファ製のため、MADE IN JAPANのフルタングナイフです。
「日本の森には、日本のナイフ」をコンセプトに、オルファの技術を詰め込んだナイフとなってます。
刃厚3.2mmのフルタングナイフのため、ブッシュクラフト的に使ったり、ぶっとい木材や硬い材木のバトニングをすることは厳しいですが、キャンプレベルであれば特に問題なく使うことが出来ます。
ゆるキャン△な感じであれば十分なスペック!
オルファワークス サンガの刃の厚みや刃渡りなどのサイズ
製品名 | OLFA WORKS アウトドアナイフ SANGA |
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ナイフ単体 | 全長232×全幅32.4×全厚21.9mm |
シース収納時 | 全長238.5×全幅43.5×全厚42.2mm |
刃厚 | 3.2mm |
刃渡り | 100mm |
重量 | ナイフ単体:127g シース収納時:164.4g |
オルファワークス サンガのサイズは、刃厚3.2mm、刃渡り100mm、小型のフルタングナイフです。
小さいので持ち運びに関しては苦になることはなく、取り回しの良いナイフとなっています。
オルファワークス サンガのカラー
グリップの基本カラーは、サンドベージュとオリーブドラブの2色展開です。
出典:OLFA WORKS
数量限定で「アッシュグレー」のサンガも販売されています。
出典:OLFA WORKS
オルファワークスと、「ほりにし」で有名な和歌山のアウトドアショップ「Orange」とコラボした、別注モデルの「アウトドアナイフ サンガ」もあります。
ハンドルのカラーがこげ茶色っぽいカラーのため、ノーマルのサンガよりもかなりかっこよくなっています。
別注カラーはかっこいい!
オルファワークス サンガの重さ
製品名 | OLFA WORKS アウトドアナイフ SANGA |
---|---|
重量 | ナイフ単体:127g シース収納時:164.4g |
オルファワークス サンガの重量はナイフ単体で127gと軽量で、プラスチックのシース込みでも164.4gです。
オルファワークス アウトドアナイフ サンガのデメリット
- ハードな使い方は厳しい
- ハンドルのカラーリングが中二病っぽい
- シースがプラスチック製
- ナイフにパラコードを取り付けるための穴がない
- シースからナイフが抜きづらい
まずは、オルファワークス アウトドアナイフ サンガを使ってみて感じたデメリットをレビューします。
デメリット①:ハードな使い方は厳しい
バトニングをする時は、刃厚が太い方が簡単に薪を割りやすいです。
オルファワークス サンガと比べると値段は倍以上しますが、「ケーバー BK2」だと、刃厚が6.5mmもあるため、鉈感覚でがっつりとバトニングすることが出来ます。
ただ、普段薪などは購入せず落ちてる薪や枝で焚き火をするならバトニングすることもないし、そんなにナイフの出番も多くないため、取り敢えずナイフは1本キャンプに持って行きたいなと考えているなら、3mmくらいの太さのナイフでも十分に使えます。
ハードな使い方を考えてなければサンガでも十分!
本格的にブッシュクラフトをしたいと考えているなら、オルファワークス サンガだと少し物足りなく感じます。
鋼材は柔らかめ
オルファワークス アウトドアナイフ サンガの鋼材は、ステンレス製の6Aです。
含まれている金属の含有量によって硬度などが変わり、鋼材の硬度が高い程切れ味が良くなりますが、靭性が落ちて粘りがなくなります。
12C27・14C28M・VG-10・AUS‐8など、単位に規則性はなく、国によっても数値が異なります。
サンガの6Aは、日本製のステンレス鋼でクロームの含有率が低い為、研ぎやすく扱いやすい鋼材で、値段も安いので初心者向けのナイフです。
硬すぎても研ぎづらいし。
デメリット②:ハンドルのカラーリングが中二病っぽい
オルファワークス サンガのハンドルデザインは、カラーリングを変えたらエヴァンゲリオンっぽくも見える中二病っぽいデザインです。
キャンプに合いそうで合わないデザイン。
ガラス繊維高配合(30%)のポリプロピレンと、エラストマーを組み合わせたハンドルのため、グリップ力は高いですが、やっぱりグリップは単色の方が好みです。
出典:OLFA WORKS
Orange別注のサンガは、単色ほどではないですが、目立ちづらい切り替えしのため、こっちを見ると、ノーマルのサンガは余計にダサく感じてしまいます。
気に食わなかったら染めたらOK!
どうしてもサンガの切り返しデザインが気に食わなかったため、染めQを使って黒に染めてカスタムしました!
デメリット③:シースがプラスチック製
オルファワークス サンガのシースはプラスチック製です。
安価なナイフはプラシースが多いのですが、やっぱりレザーシースの方がかっこいいです!
レザークラフトをしてみたかったため、プラシースに対してのこだわりはなかったのですが、やっぱりプラシースは少し安っぽく見えてしまうため、レザーシースを作ってみました。
デメリット④:ナイフにパラコードを取り付けるための穴がない
オルファワークス サンガのナイフ本体には、パラコードなどを取り付けるための穴がありません。
シースには穴がついているのですが、ハンギングラックなどに引っ掛けておきたい時はナイフに穴がついてた方が引っ掛けやすいし、使いやすいと感じました。
デメリット⑤:シースからナイフが抜けない!?
シースからナイフが抜き落ちないってことは、それだけ安全に使えるってことですが、新品時はナイフをシースから全然抜けないし、使えないナイフなのかと驚きました。
使っていくうちに抜きやすくなってきますが、最初は結構固いです。
- Qオルファワークス サンガがシースから抜けない!どうしたらいい?
- A
シースからナイフを抜く方法はグリップを両端持って、シースのギザギザ部分を親指で押しながらゆっくりと引き抜くと抜くことが出来ます。
シースからナイフを抜く方法(右利きVer.)
- STEP1右手でハンドル、左手でシースを持つ
左手でグリップの先の方を握り、右手でハンドル部分を持ちます。
- STEP2右手の親指でシース上部を押す
ナイフは握ったまま、右手の親指でシース上部のギザギザを押します。
- STEP3ゆっくり引き抜く
勢いよく抜くと危ないため、ゆっくりと引き抜いてあげるとシースからナイフが出てきます。
オルファ サンガが抜けない時は、基本に戻り、説明書通り行うことで抜くことが出来ます。
シースにナイフを戻す時は、カチッと音がするまでしっかりと押し込んで収納します。
オルファワークス アウトドアナイフ サンガの特徴とメリット
- 3.2mm厚のフルタング構造
- ハマグリ形状の刃先
- ファイヤースターターも使える
- エルゴノミックデザイン
続いて、オルファワークス アウトドアナイフ サンガの、特徴とメリットをレビューします。
メリット①:3.2mm厚ステンレス刃のフルタング構造
オルファワークス サンガは、安価なナイフにも関わらず、3.2mm厚のフルタングナイフです。
フルタングとは、ナイフのブレードがハンドルの柄部分まで貫通している構造のナイフで、折れづらく、耐久性の高いナイフです。
タングは、ハンドル材を取りつけるための中子の部分です。
料理をしたり、フェザースティックを作るくらいならナロータングでも十分なのですが、バトニングをすると折れてしまう恐れがあります。
フルタングはハンドルの柄までタングがあるため、ブレードが折れる心配が少なく、力強く使うことが出来ます。
ハードな使い方をする場合はオルファワークス サンガの3.2mmは心細く感じますが、キャンパー人気の高いモーラナイフのフルタング「ガーバーグ」と、厚みは一緒です。
そのため、ブッシュクラフトなどはせず、キャンプだけで使う分には3.2mmでも特に問題なく使用することが出来ます。
- Qオルファワークス サンガでバトニングは出来る?
- A
市販の薪の太さであれば、問題なくサンガを使ってバトニングは出来ますが、刃渡りは10cmしかないため、太い薪をバトニングするのは難しいです。
刃渡りが10cmのため、あまり太い薪のバトニング出来ませんが、市販の薪レベルであれば特に問題なくバトニングは出来ます。
小割りをするなら問題ない!
タングの空洞はアルミダイキャスト成形のエンブレムでカバー
オルファワークス サンガはフルタングのナイフですが、分解すると結構中抜きされています。
中抜きすることで強度に不安が出てきますが、空洞部分に「OLFA WORKS」のエンブレム入りのアルミダイキャストを埋め込むことで強度を保っています。
分解したら意外とサビてた。
メリット②:職人研磨で仕上げたハマグリ形状の刃先
ナイフの刃付け部分を断面図で見た場合のかたちの断面形状のことをグラインドと言います。
代表的なグラインドとして、ホロウ・フラット・スカンジ・コンベックス(ハマグリ形状)などがあります。
オルファワークス アウトドアナイフ サンガのグラインドは、コンベックスグラインド(ハマグリ形状)となっているため、良く切れるだけでなく、切れ味の持続性と欠けにくい耐久性も備えています。
コンベックスは楔のような感じで木を割いてくれるから一番破壊力が強い!
- Qオルファワークス アウトドアナイフ サンガの切れ味は?
- A
オルファ製だけあって、よく切れるし、切れ味は問題なく使えるレベルです!
MADE IN JAPANだし、オルファ製だし、サンガは箱出しの状態でもよく切れます。
使っていくうちに切れ味は悪化しますが、どんなナイフでも研がないと切れ味は落ちてくるため、切れ味が悪化したら研ぐようにしましょう!
切れ味は良いから怪我をしないように!
メリット③:ファイヤースターターも使える
オルファワークス サンガの背中部分は、角が立っているため、ファイヤースターターを使って擦り付ければ火花が飛びます。
簡単に着火出来る!
ナイフの背を使ってファイヤースターターを使うと、マグネシウムの汚れがナイフに付着します。
汚れが付いたまま放置すると、マグネシウムがナイフにひっついたままとなり、食材に移ったり、汚れが落ちなくなるため、付着した汚れはすぐに拭いて落としましょう!
メリット④:人間工学に基づいたグリップ
オルファワークス サンガは、人間工学の観点に基づいた、人がより自然に・無理なく・効率的に扱える形状を追求したデザインです。
カッターナイフ作りで培ったオルファならではの拘りも強く、細かい作業もしやすいように刃の厚みを変えたり、握りやすくすっぽ抜けないように作られています。
グリップ力も問題なし!
まとめ:オルファワークス サンガはコスパの高いフルタングナイフ
今回は、オルファワークス アウトドアナイフ サンガのレビューをまとめました。
日本製のナイフでありながら安価で買うことが出来るフルタングナイフのため、フルタングの入門として「オルファワークス アウトドアナイフ サンガ」は適しています。
- 切れ味抜群
- 3.2mmのフルタング
- バトニングしやすいハマグリ形状
- ファイヤースターターが使える
- グリップ力が高くすっぽ抜けない
-
- ハードな使い方は厳しい
-
- ハンドルカラーが中二病
- シースがプラスチック製
- パラコードを取り付けるための穴がない
- シースからナイフが抜きづらい
何かと高級ナイフが持て囃されている昨今のキャンプ業界ですが、ぶっちゃけキャンプで高級ナイフが必須かと言われると、特に必要ないです。
ナイフは沼だし、自己満足の世界。
フェザースティックを作らなくても着火は出来ますし、バトニングをしなくても太い薪を使って焚き火も出来ます。
ナイフを使わずにキャンプを終えることもしばしばありますが、取り敢えず1本ナイフを持っておきたい場合はやっぱりフルタングだと安心感があります。
高価なナイフを求めてないし、そんなにバトニングやブッシュクラフトなんかしないって場合は、オルファワークス サンガのような安価のフルタングナイフの方が使い勝手は上です!
気楽に使えるフルタングナイフ!
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