ガスバーナーを購入しようと思った時、バーナー選びだけでなく「CB缶」にするか、「OD缶」にするか悩んだキャンパーさんも多いはずです。
基本的にはCB缶は屋内用、OD缶は屋外用での使用を目的に作られてガス缶です。
アウトドアメーカーが販売しているガス缶は、屋外の使用に耐えれるようガスの中身の比率を変えて、最大限パワーが出るように作られています。
ガス缶の種類 | CB缶 | OD缶 |
---|---|---|
正式名称 | Cassette Gas Bombe | OutDoor |
お値段 | お安め | お高い |
火力 | 弱い | 強い |
寒冷地 | 火力が弱くなる | 使用可能 |
サイズ | 250が一般的 | 110・250・500の3サイズが一般的 |
CB缶はお家で使っているカセットコンロのガスと同じ、慣れ親しんだガスのため、使い勝手もわかりますが、OD缶はなんかプロっぽいイメージで、実際のところ使い勝手はどうなのか最初は全く想像がつきませんでした。

なんとなく憧れてOD缶に手を出してみた

そもそも「CB缶」と「OD缶」の違いとは何?
CB缶とOD缶の違いを知ることによって、どっちのガスが自分のキャンプスタイルに合うのか、二つのガスを比較検証し、CB缶とOD缶に関連するギアも合わせて紹介します。
CB缶とは

- 値段の安さ
- 入手しやすい
- OD缶より火力が弱い
- 寒さに弱い
CB缶は「Cassette Cas Bombe(カセットガスボンベ)」の略で、「シービーかん」と呼びます。
おうちのカセットコンロでお馴染みのガスで、スーパーやコンビニなどでも入手しやすく、お安めに購入することができます。
火力はOD缶に比べると弱いし、寒いところではドロップダウン(気化しにくい)が起こるため、うまく燃焼できなくなるデメリットもあります。

お家でもキャンプでも併用できる
- やっぱりコスパが高い方がいいと思ってる人
- 焚き火調理よりもコンロ調理の人
- お家のカセットコンロとも共有したい人
2種類のサイズ
出典:Iwatani
基本CB缶は250gのサイズですが、メーカーによっては小さな120サイズのCB缶もあります。
サイズ | 120缶 | 250缶 |
---|---|---|
サイズ | 65×129mm | 68×198mm |
重量 | 約210g | 約360g |
内容量 | 120g | 250g |
使用ガス | LPG(液化ブタン) | LPG(液化ブタン) |
販売価格(税込) | 350円(2本パック700円) | 263円(3本パック790円) |
ガス1gあたり | 2.92円 | 1.05円 |
イワタニカセットガスの120・250で比較すると、小さいサイズはコンパクトに収まり、持ち運びはしやすいですが、使用するガスのコスパは250の方が圧倒的によく2.7倍以上の差があります。

120サイズは扱ってるメーカーが少ないのがデメリット

小さいCB缶はテーブルのスペースを取らないメリットがある
スーパーやコンビニなどで買いやすいCB缶のサイズは250のため、軽量化を求める、小ささを求める以外は、120サイズを選ぶことがあまりなく、一部ホームセンターや、ネットでないと、120をお目にかかること自体少ないです。
対応ギア
CB缶に対応しているギアはバーナーはもちろん、ランタンやストーブなど幅広くあります。
基本のバーナをはじめ、ランタン、ストーブと代表的なCB缶対応ギアを紹介します。
SOTOレギュレーターストーブST-301

製品名 | レギュレーターストーブST-310 |
---|---|
使用時サイズ | 166×142×110mm |
収納サイズ | 144×70×110mm |
五徳径サイズ | 130mm |
重量 | 350g |
発熱量 | 2.9kW(2,500kal/h) |
キャンパーから絶大な支持を受ける人気の定番バーナーが「レギュレーターストーブST−310」です。
シンプルなデザインで、軽量化のために無駄を省いた設計になっているため、スイッチが押しづらい、風に弱いなどいくつかのデメリットがあります。
しかし、ST310は人気のため、デメリットも豊富なオプションパーツやカスタムパーツで補うことができ、自分だけのST310へカスタムできるのが人気の秘密です。

デメリットはカスタムでカバー!

純正オプションパーツも社外カスタムパーツもたくさん!
レギュレーターランタンST-260
製品名 | レギュレーターランタンST-260 |
---|---|
使用時サイズ | 100×130×150mm |
収納サイズ | 65×105×130mm |
重量 | 247g |
照度 | 150ルクス(80W相当) |
「レギュレーターランタンST-260」は、マイクロ レギュレーターを搭載したランタンのため、寒い環境でも光量が低下することなく使用できるテーブルランタンです。
転倒しても燃え上がりにくい構造で、安全に使用することができます。
そこまで明るい炎ではありませんが、キャンプの雰囲気を損なわない優しい光を照らしてくれます。

中途半端に余ったガスの消費にも便利
LOGOS×SENGOKU ALADDIN ポータブル ガスストーブ シルバークイーン
製品名 | ポータブルガスストーブ シルバークイーン |
---|---|
使用時サイズ | 37×29.6×33.5cm |
発熱量 | 強 1.4kW(1200kcal/h) ~ 弱 0.5kW(430kcal/h) |
燃焼時間 | 強 約2時間30分 弱 約7時間 |
重量 | 4.2kg |
1970年代にアラジンが製造・販売していた反射型石油ストーブ「シルバークイーン」の復刻版を、ロゴスとコラボして誕生したCB缶対応のガスストーブです。
コンパクトなストーブでありながらも放熱ネットに風防板が設置してあり、弱でも暖かくなるように設計されています。
冬になってからストーブを探そうとすると、色々な冬キャンプギアの売り切れが続出してしまうため、今時期から冬キャンプの準備をすることをおすすめします。

可愛らしいカセットストーブ
OD缶とは

- 屋外使用での安定した火力
- コンパクトな携帯性
- 値段が高い
- 入手しづらい
OD缶は「Out Door」の略で、「オーディーかん」と呼びます。
名前の通りアウトドアでの使用を目的としたガス缶で、アウトドア使用でも安定した火力を出すことができるパワーの高いガスです。
CB缶に比べ値段が高いのと、アウトドアショップ(一部ホームセンター)に行かないと入手できないことがデメリットとなります。

スタッキングしやすいサイズ

ベテランキャンパーさんに見える
- バーナーは基本湯沸かしくらいにしか使わない人
- 軽さを重視する人
- 寒い時期もキャンプを楽しむ人
サイズは3種類
OD缶はメーカーによって内容量は異なりますが、基本「110缶」・「250缶」・「500缶」と3つのサイズがあります。
小さいサイズの方がもちろん軽いのですが、大きいガス缶の方が1gあたりのコスパは高いです。
サイズ | 105缶 | 250缶 | 500缶 |
---|---|---|---|
サイズ | φ90×65mm | φ110×90mm | φ110×150mm |
重量 | 約192g | 約385g | 約680g |
内容量 | 約105g | 約230g | 約460g |
使用ガス | 液化ブタン 液化イソブタン 液化プロパン | 液化ブタン 液化イソブタン 液化プロパン | 液化ブタン 液化イソブタン 液化プロパン |
販売価格(税込) | 600円 | 660円 | 1,100円 |
ガス1gあたり | 5.71円 | 2.87円 | 2.39円 |
SOTOのOD缶は105缶・250缶・500缶の3サイズで販売されています。
比較してみると圧倒的に105缶の内容量に対しての価格が高いことがわかりますが、サイズのコンパクトさはCB缶含めても一番小さいサイズとなっています。

コスパよりも軽さとコンパクトを優先

105・250はスタッキングしやすい!
対応ギア
OD缶に対応していバーナー・ランタンなどのギアを紹介します。
アミカスSOD-320

型番 | アミカスSOD-320 |
---|---|
使用時サイズ | 76×100×86mm |
収納サイズ | 40×43×75mm |
五徳径サイズ | 106mm |
重量 | 81g |
発熱量 | 3.0kW(2600kal/h) |
マイクロレギュレーターは非搭載でありながら、防風性能が優れたSOTOのバーナーの中では一番リーズナブルなモデルです。
安くても、極寒の時以外は問題なく使えて、必要以上のスペックは備えているので、初めてのOD缶バーナーとしては一番最適なモデルです。

コスパの高いモデル!

特に使えなくて困ったことはない!
コールマン ルミエールランタン
製品名 | ルミエールランタン |
---|---|
サイズ | φ7.3cm×6×18.3cm |
燃焼時間 | 約28~38時間(230g缶使用時) |
重量 | 210g |
ゆるキャン△で、なでしこがはじめてのバイトの給料で買ったランタンが、コールマンの「ルミエールランタン」です。
テーブルに置いて使うことで、どこかノスタルジックで、優しくあたりを照らすことができる、雰囲気のいいキャンドル風ガスランタンです。

おしゃれキャンプにぴったりのランタン
スノーピークの「ノクターン」にするか、ルミエールランタンにするか、どちらにするか迷うほど、人気を二分するランタンです。

どっちにするか悩んだ
SOTO Hinoto(ひのと)SOD-260
製品名 | Hinoto(ひのと)SOD-260 |
---|---|
使用時サイズ | 38cm×38×156mm |
燃焼時間 | 充てん式専用タンクで1〜2時間 (タンク充てん状況や火力により変動します) |
重量 | 237g |
ルミエールランタンにするか、ノクターンにするか悩んでいたところで、新たにSOTOから販売された第3の刺客「Hinoto(ひのと)」!
Hinotoは、OD缶に取り付けて使用することもできるし、充填式専用タンクに充填することでも使用可能な2WAYランタンです。
OD缶に限らず、CB缶・ライターガスからも充填することができる、キャンドル風ランタンです。

対応ガスが多いから色々な使い方ができる

三つ巴となり、更にどれにするか悩む
CB缶とOD缶の比較

製品名 | パワーガスST-760 | レギュラーガスST-700 | パワーガスSOD-725T |
---|---|---|---|
サイズ | φ68×198mm | φ68×198mm | φ110×90mm |
画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
重量 | 約340g | 約350g | 約385g |
内容量 | 約240g | 約250g | 約230g |
使用ガス | 液化ブタン 液化プロパン | 液化ブタン | 液化ブタン 液化イソブタン 液化プロパン |
販売価格(税込) | 436円 | 384円 | 660円 |
ガス1gあたり | 1.82円 | 1.54円 | 2.87円 |
CB缶とOD缶を比較するにあたって、同メーカー(今回はSOTO)のガスを使用して比較します。
価格
製品名 | パワーガスST-760 | レギュラーガスST-700 | パワーガスSOD-725T |
---|---|---|---|
定価(税込) | 436円 | 384円 | 660円 |
ガス1gあたりの価格 | 1.82円 | 1.54円 | 2.87円 |
価格だけを見るとやっぱりCB缶のコスパの高さが光ります。
SOTOなどのアウトドアメーカーのガス缶は、スーパーや100均などで売っているガス缶よりかはお高めですが、寒い時期でも使えるように、ガスの中身の割合や成分が少し変更されています。
そして、CB缶はお家のカセットコンロとも併用できるため、経済的に使うことができます。
OD缶はコスパが悪いようにも感じますが、そもそも月1キャンプに行ったとしてもOD缶を使い切るのに約1年以上かかるため、そこまでコスパの悪さは感じません。

焚き火調理を基本としてるから、なかなかガスが減らない

アルコールストーブを使う時もあるから、かれこれ2年ほど買い替えてない
CB缶はお家でお鍋をする時もカセットコンロで使うから、年に5、6本消費しますが、OD缶はそこまで出番が多いわけではないので、結構長持ちします。
使用期限

SOTOのガス缶の使用期限は、缶に記載されている製造年月日から約7年が目安となります。(メーカーによって使用期限は異なる)
缶に使用されている金属やゴムが劣化するなどでガス漏れの原因となるため、使用期限を超えたガスは使わないようにして下さい。
サイズ

製品名 | パワーガスST-760 | レギュラーガスST-700 | パワーガスSOD-725T |
---|---|---|---|
サイズ | φ68×198mm | φ68×198mm | φ110×90mm |
サイズはCB缶とOD缶を比べると、OD缶の方が小さくコンパクト性が優れています。

バーナー使用時は、OD缶はガス缶の上に取り付けるため、小さなテーブルの上でも邪魔になることはありませんが、重心が高くなるので少し不安定ではあります。

小さいテーブルでも使いやすいサイズ

CB缶はフィールドホッパーのような小さなテーブルでは、半分も場所をとってしまうため、結構かさばってしまいますが、五徳の安定感はCB缶バーナーの方がOD缶バーナーよりも高いです。

五徳が大きい分、安定感が高い!
重量・内容量

製品名 | パワーガスST-760 | レギュラーガスST-700 | パワーガスSOD-725T |
---|---|---|---|
重量 | 約340g | 約350g | 約385g |
内容量 | 約240g | 約250g | 約230g |
重量・内容量に関してはCB缶もOD缶もそこまでの差はないことがわかります。
- アミカスSOD320 :81g(収納時40×43×75mm)
- レギュレーターストーブST310:重量350g(収納時144×70×110mm)

ガス缶の重さは変わりませんが、バーナーのサイズ・重量は圧倒的にOD缶バーナーの方が軽くコンパクトなため、軽量化を求める方はOD缶の方がおすすめとなります。

軽量化をとるか五徳の安定感をとるか

調理はCB缶バーナーの方が使いやすい
残量確認
透明な容器でもないので、ガスの残量を確認するには振ったりしてなんとなく確認することもありますが、重さを測ることによって大体の残量がわかります。
SOTOのOD缶:「総重量約385g」ー「ガス250g」=「缶の重量135g」

上記の写真だと重量195.7gのため、「残重量195.7g」ー「缶の重量135g」=60.7g・残量が残り60.7gだとわかります。
残量60.7g/ガス量250g=残24%
SOTOのOD缶バーナーは残量MAXで、250缶は1時間半使用できるので、残り約20分は使用できることがわかります。

あと5、6回くらいはお湯を沸かせる

500mlを大体4、5分で沸かせる
使用ガス

製品名 | パワーガスST-760 | レギュラーガスST-700 | パワーガスSOD-725T |
---|---|---|---|
使用ガス | 液化ブタン 液化プロパン | 液化ブタン | 液化ブタン 液化イソブタン 液化プロパン |
液化ブタン(液化石油ガス)は3種共通で入っています。
CB缶でもお高めのパワーガスには液化プロパン(LPガスでお馴染み)が入っていて、OD缶のみ入っているのが液化イソブタンがとなります。

理科は苦手でよくわからん

大丈夫!わしもわからん
使用ガス | ノルマルブタン | イソブタン | プロパン |
---|---|---|---|
沸点 | -0.5° | -11.7° | -42.1° |
- 10度以上の気温:どのガスも使用できる
- 10度以下の気温:パワーガスが必要

要は10度を目安にガスを変えてねってこと

高いガスは冬用、安いガスは夏用
まとめ:結局どっち?

今回はCB缶とOD缶の違いを比較して検証してみました。

結局どっちがいいの?
実際に使用してみても、比較してみても、どっちがいいかは人それぞれかなと感じます。
CB缶を家でも外でも併用したいならCB缶を選んだらいいし、コンパクトに持ち運びたいならOD缶を選びます。
両方のバーナーを買い、その日の気分や荷物の量で使い分けてももちろんOKですし、気に入ったバーナーや対応ギアがCB缶かOD缶のどっちに対応するかでも変わってきます。

ST310が欲しかったらCB缶

ベテランさんみたいに使いたかったらOD缶

ルミエールランタンが欲しかったらOD缶

コスパが高いのはCB缶
- 値段の安さ
- 入手しやすい
- OD缶より火力が弱い
- 寒さに弱い
- 屋外使用での安定した火力
- コンパクトな携帯性
- 値段が高い
- 入手しづらい
CB缶もOD缶も、それぞれメリット・デメリットはあります。
どちらか一個を選べと言われたら、うちはソロキャンプがメインのため、荷物を減らすためにOD缶を選びます。

せっかくのキャンプやしOD缶

うちは使い慣れたCB缶
最後になりますが、CB缶を持って行くならバーナやランタンもCB缶対応、OD缶を持っていくならOD缶でギアを揃えた方が荷物は減ります。
バーナーしか使わないのであればCB缶・OD缶は気になった方を選んでください。
キャンプにはまると最終的には両方のバーナーがいつの間にか揃っています(笑)
コメント