トランギア メスティンはキャンプ用クッカーの中でもトップクラスに人気が高く、今やキャンプメーカーだけでなく、ダイソーやニトリからもメスティンは販売されてます。
メスティンの使い方と言えば、真っ先に思いつくのが「炊飯」です!

火の通りが良いアルミクッカーだから簡単に炊ける!
万能クッカーのためラーメンやお鍋、パスタに唐揚げなど色々な調理が楽しめますが、飯盒として炊飯用に使うキャンパーさんが多い印象です!
トランギア メスティンを使った炊飯は、焚き火やガス、アルコールバーナーなど色々な炊き方がありますが、100均でも買える「固形燃料」を使っても炊飯は出来ます!

固形燃料は燃焼時間が決まってるから、ほったらかすだけの自動炊飯でご飯が炊ける!
メスティンの炊飯方法を検索してみると、色々なサイトで「メスティンを逆さまにひっくり返して蒸らす」と記載されています。

ひっくり返して蒸らすとは書いてるけど、理由が書いてない。

メスティンをひっくり返して蒸らすと紹介してるくせに、他のクッカーを使った炊飯だと誰もひっくり返してない・・。

メスティンだけひっくり返すのなぁぜなぁぜ?
メスティンを逆さまにひっくり返す理由やメリットがいまいち理解出来なかったため、2台のメスティンを使い、一個は逆さまにひっくり返して蒸らし、もう一個は普通に蒸らして違いを検証してみました。

結論から言えば、特に逆さまにひっくり返すメリットはなかった。
この記事では、トランギア メスティンと固形燃料を使ったほったらかすだけの自動炊飯の炊き方や、蒸らし中にメスティンを逆さまにひっくり返す必要がない理由などをまとめてレビューします。
トランギア メスティンと固形燃料を使った炊飯

トランギア メスティンを使った炊飯は「固形燃料」だけでなく、アルコールストーブやガスバーナー、焚き火などでも炊飯出来ます。
メスティンは超薄く加工されたアルミ製クッカーのため火の通りが早く、どんな火器を使っても超簡単に炊飯が出来ます!

使用する火器によって炊飯時間や水の量が変わるから注意が必要!
- 固形燃料:20〜23分
- アルコールストーブ:10〜15分
- 焚き火:7〜10分
- ガスバーナー:10分
- お家のガスコンロ:10分
今回は、トランギア メスティンと100均で買える固形燃料を使った炊飯のやり方をレビューします。
トランギア メスティン

製品名 | トランギア メスティン | トランギア ラージメスティン |
---|---|---|
サイズ | 17×9.5×H6.2cm | 20.7×13.5×H7cm |
容量 | 750ml | 1350ml |
重量 | 150g | 270g |
材質 | アルミ(無垢) | アルミ(無垢) |
炊飯の目安 | 1.8合 | 3.5合 |
メスティン(messtin)とは「mess=兵隊の食事」と「tin=ブリキ缶」を組み合わせた造語で、日本で言うところの飯盒です。

トランギア製のメスティンが有名!
メスティン本来の用途は、兵隊さんが食事を持ち運ぶ弁当箱として使ったり、配給を受け取る時の取り皿などに使われています。
トランギアのスウェーデン版Webサイトでは、メスティンは「Matdosa(容器・食器と言う意味)」と言う名称で販売されており、クッカーではなく食器として使われてます。
「トランギア以外のメスティン」=「偽物」と勘違いしてるキャンパーさんも多いですが、「メスティン」はブランド名などではなくただの一般名詞です。

どのメスティンも本物のメスティン!

トランギア メスティンが有名なだけ!
トランギア以外にも色々なアウトドアメーカーさんからメスティンが販売されてますし、ダイソーやニトリなどで買える安いメスティンも全て本物のメスティンです。

トランギアに限らず、どのメスティンでも炊飯のやり方は基本一緒!
メスティンは炊飯だけでなく、料理の基本調理法である「焼く」・「茹でる」・「炒める」・「揚げる」・「煮る」・「蒸す」・「和える」などの調理も出来る万能クッカーのため、キャンパーさんを中心に絶大な人気を誇ってます。

レシピブックまで発売されてるほど人気!
トランギア メスティンは無垢のアルミで製造されているため、「焼く」・「炒める」は焦げ付きやすくちょっと苦手です。

トランギア メスティンは変色や焦げ防止にシーズニングが必要。
焼く・炒めるもメスティンだけで済ましたいキャンパーさんは、テフロン加工されてるメスティンの方が使いやすいです。

ただ、テフロン加工されたメスティンは焚き火で使えない・・。
固形燃料はダイソーなど100均で買える!
出典:株式会社 ニチネン
固形燃料は旅館やレストランで提供される、お鍋やチーズフォンデュなどで見かける青いアレです。
燃料用アルコールで使われてる「メタノール」を、石鹸の作り方と同じような感じで固形化されており、一定の火力で燃え続けてくれます。

固形燃料のサイズによって燃焼時間は異なる!
ダイソーなど100均でも固形燃料は買えるため入手もしやすいし、ライターで着火するだけなので簡単に使えます!

固形燃料を持ち運ぶためのミニタッパーも、同じく100均で購入出来ます!

固形燃料はコンパクトだし持ち運ぶのも邪魔にならない!
固形燃料の風防や五徳も100均で買える!

固形燃料はアルコールストーブと同じく風の影響を受けやすく、風が強いと燃焼効率が落ちたり、炎が消えてしまったりするため「風防(ウインドスクリーン)」が必要です。
他にもクッカーを置くための五徳や、溶け出した蝋でテーブルを汚さないための火皿も必要です。
風防やアルコールストーブ用の五徳も100均で購入することが出来るため、固形燃料を使った炊飯は初期費用を抑えて楽しめます!

ランニングコストを考えると、アルコールストーブの方がお得!

100均で買えるアルコールストーブ用五徳はエスビット製に似たデザイン!
トランギア メスティンと100均の固形燃料を使った自動炊飯:炊き方

- トランギア メスティン
- 固形燃料:ダイソーで購入
- お米:無洗米がおすすめ!
- お水:無洗米一合に対してお水250ml
- 風防:火が消えないように風から守るため
- ゴトク:メスティンを置くため
- ライターorマッチ:固形燃料の着火用
- グローブ:火傷防止
- 重石:吹きこぼれ防止
トランギア メスティンと固形燃料を使った、ほったらかすだけで簡単に炊ける自動炊飯のやり方をレビューします。
- STEP1メスティンに無洗米1合とお水250mlを入れて浸漬
- STEP2固形燃料の準備
- STEP3着火して炊飯から蒸らしまで30分ほったらかし炊飯:自動炊飯
- 完成メスティンと固形燃料を使った自動炊飯炊飯:出来上がり
STEP1:メスティンに無洗米1合とお水250mlを入れて浸漬

トランギア メスティンの容量は750mlで、MAX1.8合まで炊飯することが出来ますが、今回は1合炊飯の炊き方を紹介します。
- 普通精米:1合に対しお水180ml〜200ml
- 無洗米:1合に対しお水230ml〜250ml
キャンプで炊飯する場合は、炊事場が遠かったり綺麗な水が出るとは限らないため、普通精米よりも無洗米を使っての炊飯がおすすめです。
無洗米は普通精米と比べると米粒が小さく、同じ1合でも無洗米の方が米粒の数が多いため、炊飯に必要な水の量が変わってきます。
- Q固形燃料でメスティンを1合炊飯する時に必要な水の量は?
- A
固形燃料で炊飯する場合は、無洗米1合に対して250mlのお水で炊くことで、焦げつきもなく美味しいご飯が炊き上がりました。
使用する火器やクッカーによって水の量は変わりますが、少ないと焦げついたり芯が残ったかなり固いお米になるため、多めに入れて炊飯した方が失敗は少ないです。

トランギア メスティンは計量するためのメモリがついてません。
そのため、シェラカップなどを使ってお水の量を計測しないといけないのですが、忘れてしまった場合は内側に持ち手を固定している「リベット」と呼ばれる金具を目安に計ることも出来ます。
- 無洗米1合+お水230ml:リベットの下あたり
- 無洗米1合+お水250ml:リベットの真ん中あたり

計量カップを忘れた時の目安に!

お水と無洗米をメスティンに入れたら、30分以上浸漬(お米に水を吸わせる)させます。
浸漬をするとしないとでは、炊き上がりのふっくら感が大きく変わってくるため、必ずお米にしっかりと水を吸わせてから炊飯するのが美味しいご飯を炊くコツです!

浸漬時間は長くなっても特に問題ないから、事前に準備しておくとすぐ炊飯出来る!
浸漬前のお米と吸水後のお米を比較すると、見た目から大きく変わり、吸水後の無洗米は色も沈み具合も米粒の大きさも全て変化しているため、見た目でも浸漬してるか判断出来ます。

見た目からして全然違うからすぐわかる!
寒い時期はお米が水を吸水しにくくなるため、1時間以上の浸漬時間が必要です!
STEP2:固形燃料の準備

お米を浸漬している間に固形燃料を準備します。
固形燃料は風の影響を受けやすく、風が強いとすぐに火が消えてしまうし燃費も悪くなるため「風防」と、メスティンを置くための「五徳」が別途必要です!

五徳に火皿が付いてない場合は、別途「火皿」も必要!

固形燃料・風防・五徳は全て100均でも購入出来ますし、トランギア メスティンの中にまとめてスタッキングして持ち運べます。
STEP3:着火して炊飯から蒸らしまで30分ほったらかし炊飯:自動炊飯

ダイソーで買える固形燃料は約20〜23分間燃焼します。

25gの固形燃料が3個入り!
固形燃料をライターやマッチなどを使って着火し火が消えるまで20分、そのまま蒸らし時間10分の計30分ほったらかすだけの自動炊飯でご飯が炊けます!

着火したら30分のタイマーをかけて放置しておくだけ!

着火してから7〜8分ほど経つと吹きこぼれが始まり蓋が外れてしまうこともあるため、あらかじめ重石を乗せておくのが安心です!
トランギア メスティンと固形燃料を使った自動炊飯:完成

30分のタイマーが鳴れば、トランギア メスティンと固形燃料を使ったほったらかすだけの自動炊飯は完成です。
メスティンの中にお米とお水を入れて固形燃料を着火するだけで、特に難しいことは何もしていませんが、焦げつくこともお米に芯が残ることもなく、美味しいご飯が炊けました!

固形燃料を使えばほったらかすだけで簡単にご飯が炊ける!
蒸らす時メスティンを逆さまにひっくり返すキャンパーが多い理由は?

トランギア メスティンはペラペラな超薄いアルミクッカーのため、クーラーバッグに入れたり、タオルで巻いて蒸らすと冷めにくいです。

熱しやすく冷めやすいのがメスティンのデメリット。
特に冬時期の炊飯は、蒸らしている間にご飯が冷めてしまうため、固形燃料の炎が消えたらメスティンをクーラーバッグなどに入れて蒸らした方が熱々のご飯を食べれます。

自動炊飯よりも、炊飯と蒸らしを分けた方が温かなご飯が食べれる!

メスティンをクーラーバッグの中で蒸らしている時に、レトルトカレーなどを一緒にバッグの中に入れておけば、蒸らしている時の予熱でカレーを温めておくことも出来ます。
なぜメスティンをひっくり返して蒸らすの?

- Q蒸らし中、メスティンを逆さまにひっくり返すキャンパーさんが多い理由は?
- A
ボーイスカウトでは、飯盒炊爨で「炊けたら逆さまにひっくり返して蒸らす」と教えていたらしく、その名残が原因でメスティンをひっくり返す人が多いのではないかと思います。
「メスティン 炊飯」で検索すると、火から下ろした後に蒸らす時はメスティンを逆さまにひっくり返すと書いてあるサイトが多いです。

逆さまにして蒸らす理由がわからない。
なぜそんな情報が出回ってるのか調べてみたところ、多分ボーイスカウトで習う飯盒炊爨の影響が大きいのではないかと思っています。

昔はボーイスカウトで炊飯後、飯盒を逆さまにしてたらしい。

諸説ありますが、昔ながらのよく見かける飯盒を逆さまひっくり返すのには理由があります。
- 蒸らしている時間に、飯盒の底に付いた煤汚れを落とすため
- 飯盒の底のご飯や焦げつきを取りやすくするため
- 昔の飯盒は蓋に隙間があったので、ひっくり返さないと保温効果が落ちるため
- 下部分のお米は硬く、上部分はふっくらしているため etc…
こんな感じの理由で、昔は飯盒を蒸らす時は逆さまにひっくり返してたみたいです。

炊飯器でご飯を炊いてもひっくり返すことはないし・・。
逆さまにひっくり返して蒸らしたメスティンと、普通に蒸らしたメスティンを比較

実際に逆さまにひっくり返して蒸らしたメスティンと、逆さまにせず普通に蒸らしたメスティンにどんな違いがあるのか比較してみました。
ひっくり返したメスティンは、逆さまにしたことでお米が少し盛り上がり、蓋にもお米がひっついてしまい見た目の印象は悪くなってます。

固形燃料で炊いてるから特に焦げつきもないし。
見た目はひっくり返したことで変化はありましたが、実際「味」に関しては、普通に蒸らして炊いたご飯も逆さまにして蒸らしたご飯も同じ白飯の味でした。

全く味に変化がなかった。
結果:メスティンを逆さまにひっくり返して蒸らす必要はない!

飯盒を逆さまにする理由を見て考えたらわかることですが、固形燃料で炊飯したため煤がつくこともないし、焦げつかないように水の量を調節して炊飯したので焦げつきも関係ありません。
保温効果はクーラーバッグを使ってカバー出来るし、味も全く変わらないため、逆さまにひっくり返す理由は全くありませんでした。

ひっくり返さない方が見た目も美味しそう!

1合しか炊いてないのに上下で味の違いがおきるわけがない!
そもそも、他のクッカーを使って炊飯する時はどこにもひっくり返して蒸らすとは記載されてないのに、メスティンだけ逆さまにするのもおかしな話です。
結果的にメスティンをひっくり返して蒸らす理由は全くなかったので、逆さまにせずそのまま蒸らしてしまってOKです。
まとめ:トランギア メスティンと100均の固形燃料を使った炊飯

今回は、トランギア メスティンと固形燃料を使った自動炊飯のやり方と、蒸らし中にメスティンを逆さまにひっくり返す理由とはなんだったのかをまとめてレビューしました。
トランギア メスティンと固形燃料を使って炊飯すれば、ほぼほったらかしておくだけの自動炊飯で簡単に美味しいお米が炊けます!
- 固形燃料を使えば、着火してから蒸らしまで30分ほったらかすだけの自動炊飯でお米が炊ける!
- 無洗米1合に対して、必要なお水は250ml!
- 蒸らし中メスティンを逆さまにひっくり返す必要はない!
固形燃料は100均やホームセンターなどで手軽に入手出来ます。
トランギア メスティンを使って初めて炊飯する場合は、まずはお家の中で一度試してみるのがおすすめです!

風の影響がないから失敗しにくい!
固形燃料やアルコールストーブはどうしても風の影響を受けやすいため、その日の天気や風向きによって使う火器を変えたり、水の量や火力を調整することで失敗なく炊飯が出来ます。

炊飯はコツと経験が必要!

どうしても炊飯を失敗したくない場合は、メスティンを使った炊飯ではなく、水蒸気炊飯で炊くのがおすすめです。
水蒸気炊飯であれば蒸気の力で炊くため焦げつく心配もないし、中までふっくらした芯も残らない美味しいお米が炊けます!
水蒸気炊飯と言えば「戦闘飯盒2型」が有名ですが、底上げすることで普通のアルミクッカーを使っても水蒸気炊飯で失敗せずにご飯を炊くことが出来ます。
メスティンだけでなく他のクッカーを使っても炊飯は出来ますし、色々な炊飯方法があるため、自分のキャンプスタイルにあった炊飯方法を見つけて、キャンプで美味しいご飯を炊いてください!
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